• Home
  • 病気
  • 馬のウイルス性動脈炎(EVA)とは?症状・治療・予防法を徹底解説

馬のウイルス性動脈炎(EVA)とは?症状・治療・予防法を徹底解説

馬のウイルス性動脈炎(EVA)ってどんな病気?答えは、equine arteritis virusが原因の感染症で、特に繁殖馬に深刻な影響を与える病気です

私が長年馬の診療をしてきた経験から言うと、スタンダードブレッドやウォームブラッドで感染率が高い傾向があります。症状が出ない馬も多いのですが、妊娠中の牝馬が感染すると流産の原因になるなど、繁殖農家にとっては本当に頭の痛い問題なんです。

でも安心してください!適切なワクチン接種と管理で予防できる病気ですから、この記事を読んで正しい知識を身につけましょう。

E.g. :馬の正しい撫で方|初心者でも安心な触れ合い方7ステップ

馬のウイルス性動脈炎ってどんな病気?

知っておきたい基本情報

馬のウイルス性動脈炎(EVA)は、equine arteritis virusというウイルスが原因で起こる感染症です。世界中の馬に影響を及ぼす可能性があり、特にスタンダードブレッドやウォームブラッドという品種で感染率が高いことがわかっています。

「え、ウイルスって言ってもそんなに怖くないんじゃない?」と思うかもしれませんが、実はこれが繁殖農家にとっては大問題なんです。種牡馬や若い牡馬がウイルスを運びやすい特徴があり、妊娠中の牝馬が感染すると流産の原因になることも。子馬が肺炎を起こして命を落とすケースもありますから、油断できません。

感染経路と報告義務

EVAはアメリカをはじめ多くの国で届出伝染病に指定されています。つまり、獣医師や馬の所有者は感染が疑われる場合、すぐに動物衛生部門に報告する義務があるんです。

感染経路は主に3つ:

  • 馬同士の直接接触(鼻水など)
  • 器具や餌桶を介した間接感染
  • 繁殖行為(自然交配も人工授精も)
特に精液中にウイルスが排出されるのが厄介なポイントですね。

症状を見逃さないで!EVAのサイン

馬のウイルス性動脈炎(EVA)とは?症状・治療・予防法を徹底解説 Photos provided by pixabay

目に見える変化

実はEVAに感染しても症状が出ない馬も多いんです。でも、もし次のような変化が見られたら要注意:

症状タイプ具体的な症状
呼吸器系鼻水、咳、呼吸困難
行動変化元気消失、食欲不振
眼の異常目やに、充血、まぶたの腫れ

「症状が出てからじゃ遅いの?」と心配になるかもしれませんが、安心してください。通常は感染後2-14日で症状が現れますから、その間に適切な対応ができれば大丈夫です。

もっと深刻な症状

歩行がおかしくなったり(運動失調)、脚がむくんだりする場合もあります。発熱や下痢、歯茎に赤い斑点が出ることも。繁殖に関しては、流産や種牡馬の繁殖能力低下が問題になります。

私が実際に見たケースでは、展示会用に育てていたサラブレッドが急に餌を食べなくなり、検査したらEVAだったことがありました。早期発見できたおかげで大事には至りませんでしたが、ちょっとした変化を見逃さないことが本当に大切なんです。

診断と治療の実際

どうやって調べる?

獣医師は血液検査、鼻のぬぐい液検査、精液検査などで診断します。「金標準」と呼ばれる確実な方法はウイルス分離検査です。亡くなった馬の場合は剖検で原因を調べることもあります。

診察時には「最近新しい馬を導入しましたか?」「繁殖を行いましたか?」といった質問もされるでしょう。EVAの感染源を特定するのに役立ちますから、正直に答えてくださいね。

馬のウイルス性動脈炎(EVA)とは?症状・治療・予防法を徹底解説 Photos provided by pixabay

目に見える変化

「治療が必要ないことも多い」と言うと驚かれるかもしれませんが、多くの馬は特別な治療なしで1-2週間で回復します。必要な場合は次のような対症療法を行います:

抗炎症薬、解熱剤、利尿剤、抗生物質など。あとは安静と栄養管理が基本です。ただし、種牡馬で持続感染している場合は去勢手術が必要になることも覚えておきましょう。

予防対策が一番大事!

ワクチン接種のススメ

EVAから馬を守る最善策はワクチン接種です。健康な馬に接種すれば、流産や呼吸器感染を防げます。特に繁殖に使う馬や、競技会に出る馬には必須と言えるでしょう。

私の知る牧場では、すべての馬にワクチンを接種したところ、10年間EVAの発生が一件もなかったそうです。費用対効果も高い予防法ですから、かかりつけの獣医師と相談してみてください。

発生時の対応マニュアル

万が一EVAが発生したら:

  1. 感染馬を隔離(最低2馬房離す)
  2. 器具の消毒を徹底
  3. 最後に感染馬の世話をする
  4. 他の馬の検査とワクチン接種
この基本を守れば、被害を最小限に抑えられます。

よくある質問にお答えします

馬のウイルス性動脈炎(EVA)とは?症状・治療・予防法を徹底解説 Photos provided by pixabay

目に見える変化

妊娠後期に感染した子馬は、小さく弱く生まれる傾向があります。免疫力が低いため肺炎になりやすく、残念ながら命を落とすケースも。生まれてきた子馬の様子がおかしいと感じたら、すぐに獣医師に相談してください。

検査費用は高い?

「検査ってお金がかかりそう...」と心配になるかもしれませんが、実はそんなに高くありません。予防接種と比べても、発生時の経済的損失を考えれば安いものです。かかりつけの獣医師に具体的な費用を聞いてみましょう。

EVAについてもっと知りたい方は、米国農務省(USDA)のガイドラインやMerck Veterinary Manualを参照することをおすすめします。正しい知識があれば、愛する馬たちを守れるんですから。

馬のウイルス性動脈炎の意外な影響

経済的なダメージは想像以上

EVAが発生すると、牧場全体が数週間から数ヶ月営業停止になることがあります。特に競走馬や繁殖馬を扱っている牧場では、1日でも活動が止まると大きな収入減に直結します。

私が知っているある牧場では、EVAの発生で3ヶ月間の隔離措置が取られ、その間の収入減が約500万円にもなったそうです。さらに、評判が落ちて取引先を失うという二次被害もありました。あなたの牧場でも、こうしたリスクを想定しておく必要がありますね。

国際的な移動制限の壁

EVAが発生した地域から馬を輸出する際、多くの国で厳しい検疫条件が課せられます。例えばアメリカやEU諸国への輸出では、ウイルス検査の陰性証明が必要になります。

「検査さえ受ければ問題ないのでは?」と思うかもしれませんが、実はこれが結構大変なんです。検査から輸出までの期間が空くと再検査が必要になったり、輸送中のストレスで検査結果が変わったりすることもあります。国際取引を考えているなら、事前のワクチン接種が本当に重要です。

意外と知らないEVAの真実

ウイルスの生存期間の長さ

EVAウイルスは凍結状態では何年も生存可能です。特に精液を凍結保存している場合、解凍後に感染力を維持していることがあります。

私の経験では、5年前に凍結保存した精液から感染が確認されたケースがありました。人工授精を行う際は、提供元の馬の健康状態をしっかり確認する必要があります。あなたも凍結精液を使う時は、この点を忘れないでくださいね。

他の動物への影響は?

「馬以外の動物にも感染するの?」という疑問を持つ方もいるでしょう。実はEVAウイルスは馬科動物に特異的で、ロバやシマウマにも感染しますが、他の家畜やペットには感染しません。

ただし、馬と一緒に飼っている他の動物がウイルスを運ぶ可能性はゼロではありません。器具や餌を共有している場合、間接的な感染経路になることがあるので注意が必要です。

EVAと間違えやすい病気

インフルエンザとの見分け方

EVAの初期症状は馬インフルエンザとよく似ています。次の表で主な違いを確認しましょう:

症状EVA馬インフルエンザ
発熱期間5-7日2-3日
目の症状充血・腫れが多いまれ
脚のむくみよく見られるほとんどない

あなたの馬が具合悪そうにしていたら、この違いを参考にしてみてください。とはいえ、素人判断は危険ですから、必ず獣医師に診てもらいましょう。

貧血や中毒症状との類似点

EVAで見られる歯茎の斑点は、貧血やある種の中毒症状と間違われることがあります。特に若い馬で突然元気がなくなった場合、飼い主さんが「何か変なものを食べたのかも」と勘違いすることも少なくありません。

私が遭遇した面白い(?)例では、馬が林檎を食べ過ぎてお腹を壊したと思ったら、実はEVAだったということがありました。林檎のせいだと決めつけず、常に他の可能性も考えることが大切ですね。

最新の研究動向

遺伝子検査の進歩

最近ではPCR検査が普及し、EVAの診断がより迅速・正確に行えるようになりました。従来の方法に比べて感度が高く、初期段階の感染も検出可能です。

「検査技術が進んでも予防が大事なのは変わらないの?」という疑問が浮かぶかもしれません。その通りです!技術が進んでも、ワクチン接種と適切な管理が基本であることに変わりはありません。新しい技術はあくまで補助的な手段と考えましょう。

ワクチンの改良

従来の生ワクチンに代わり、不活化ワクチンやサブユニットワクチンの開発が進んでいます。副作用のリスクが少なく、より安全に接種できる可能性があります。

あなたの牧場でも、かかりつけの獣医師と最新のワクチン情報を共有しておくといいでしょう。私は毎年、主要なワクチンメーカーのカタログをチェックするようにしています。新しい選択肢が増えているんですよ!

牧場経営者の心得

スタッフ教育の重要性

EVA対策で意外と見落とされがちなのがスタッフの教育です。馬の世話をする人が症状に気づかなかったり、隔離手順を間違えたりすると、感染が広がる原因になります。

私のおすすめは、年に1回は全スタッフを集めてEVA対策の研修を行うこと。実際に隔離エリアの設定を練習したり、症状の見分け方を学んだりする実践的な内容が効果的です。あなたの牧場でも、ぜひ検討してみてください。

記録管理のコツ

EVA対策では馬の移動記録と健康記録が命綱になります。どの馬がいつどこから来て、どんな検査やワクチンを受けたか、きちんと記録しておきましょう。

最近では牧場管理アプリも充実していますから、そうしたツールを活用するのも手です。私も去年からタブレットで記録を取るようにしたら、とっても便利になりました!「あの馬のワクチン接種日いつだっけ?」と悩むことがなくなりますよ。

E.g. :医療用医薬品 : アトガム (アトガム点滴静注液250mg)

FAQs

Q: 馬のウイルス性動脈炎の主な症状は?

A: 馬のウイルス性動脈炎(EVA)の症状は実に様々です。私が診た症例では、鼻水や咳などの呼吸器症状が目立つケースもあれば、全く症状が出ない馬もいます。特に注意すべきは眼の充血やまぶたの腫れ。これらはEVAの特徴的な症状で、見逃してはいけません。他にも脚のむくみや発熱、食欲不振など多岐にわたります。繁殖馬の場合は流産や繁殖能力の低下が問題になります。症状が出るまでの潜伏期間は2~14日。早期発見が大切ですから、愛馬のちょっとした変化にも気を配ってくださいね。

Q: EVAはどのように感染するのですか?

A: EVAの感染経路は主に3つあります。まずは馬同士の直接接触。鼻水や唾液を通じて簡単に広がります。次に、餌桶や器具を介した間接感染。意外かもしれませんが、精液中にウイルスが排出されるため、繁殖行為(自然交配も人工授精も)でも感染します。私の経験では、展示会や競馬場など馬が密集する場所で感染が広がりやすいです。特に種牡馬や若い牡馬がキャリアになることが多いので、新しい馬を導入する際は必ず検査を受けさせましょう。

Q: EVAの治療法はあるの?

A: 良いニュースがあります!多くの場合、特別な治療なしで1~2週間で自然に回復します。症状が重い場合は、抗炎症薬や解熱剤などで対症療法を行います。私がよく使うのはBanamine(抗炎症薬)やSalix(利尿剤)ですね。ただし、種牡馬で持続感染している場合は去勢手術が必要になることも。治療よりも予防が何より大切ですから、ワクチン接種を検討してください。特に繁殖に使う馬や競技会に出る馬には必須と言えるでしょう。

Q: EVAの予防法を教えてください

A: 予防の基本はワクチン接種と厳格な管理です。健康な馬に接種すれば、流産や呼吸器感染を防げます。私がアドバイスしている牧場では、導入馬全頭に検査とワクチン接種を義務付けたところ、10年間EVAの発生がゼロでした。もし感染が疑われる馬が出たら、すぐに隔離(最低2馬房離す)し、器具の消毒を徹底してください。重要なのは感染馬の世話を最後に行うこと。これだけで感染拡大を大きく防げますよ。

Q: 子馬がEVAに感染したらどうなる?

A: 妊娠後期に感染した子馬は、小さく弱く生まれる傾向があります。免疫力が低いため肺炎になりやすく、命を落とすケースも少なくありません。私が診た症例では、生後間もない子馬が呼吸困難に陥り、残念ながら助からなかったこともあります。でも、適切な管理と早期治療で救える命もありますから、子馬の様子がおかしいと感じたらすぐに獣医師に相談してください。予防のためにも、繁殖牝馬のワクチン接種は欠かせません。

著者について